いつもありがとうございます。鳥爺です。
第1回目にも書きましたが、なぜ「鳥の繁殖の未来」を週1回のペース書こうと思ったのかというと、簡単に言えば「もう待てない!」というところまで来たということです。
ここで何かをしなければ、この先何も変わらないままかもしれないからです。
なぜ待てないか、というのは鳥の生命に関わる問題だからです。
インコ、オウム、フィンチ類の病気にはいろいろあります。
その中で3つほど着目してほしい病気があります。
それは鳥クラミジア症、BFD、PBFDです。
ひとつずつご説明します。
まず鳥クラミジア症。
人間側からはオウム病と呼ばれています。
これは鳥も人も感染する人獣共通感染症です。
人にも感染するので怖い病気ですが、愛鳥家の皆さんの知識と意識が高まり、年々減少傾向にあるようです。
ここ2002年-2016年で平均2.65%の感染率(*)でした。
(*)コンパニオンバードラボラトリー(以下、CBL)調べ。
最近では1%以下まで感染率が下がっていますので、非常にいい傾向だと思います。
次にBFDです。
正式には「Budgerigar Fledgling Disease」。セキセイインコのヒナ病と呼んでいます。
ポリオーマウイルスによる感染症疾患です。
2011年ー2017年の調査で平均0.8%の感染率(*)でした。(CBL調べ)
鳥クラミジア症もBFDも年々減少傾向で、推測ですが現在はどちらも1%以下だと思われます。
問題は3つ目のPBFD(オウム類嘴羽毛病)です。
PBFDはPsittacine Beak and Feather Disease の略です。
PBFDはインコ、オウム類に罹る病気ですが終息どころか、収束する気配すらありません。
データを見てみましょう。
2011年ー2017年の調査で平均14.4%の感染率です(CBL調べ)。
鳥クラミジア症とBFDと比べて、どうですか?
この2つの病気は1%以下ですが、PBFDはその14倍以上。
具体的な数でいうと、100羽中14羽がPBFDに感染していることになります。
PBFDは発症したら、ほぼ助からないと言われている病気があります。
なんとセキセイインコは、なんと26.9%も感染しているデータが出ています。
100羽中27羽です。
セキセイインコが日本中で100羽ということはありませんね。
1万、10万、いや、もっと、もっとたくさんのセキセイがいるでしょう。
仮に1万羽として計算しても、2,700羽がPBFDに感染している計算です。
この数字をどう思いますか?
しかも減少傾向ではなく、表の通り横ばい状態です。
いったい何が原因なのでしょうか?
なぜ感染数を減らすことができなかったのでしょうか?
次回はこの問いを考えたいと思います。