鳥のきもち「私のいちばんこわいもの」

ここだけの話、私たちは強がっていますが、こわいものがたくさんあります。これから一人前の鳥になる上で、知っておいたほうがいいことなので、お話ししましょう。

私自身はわりと体も大きく、そして声もくちばしも体に負けず大きく、少し鳴けば、鶴の一声的な効果を発揮したものですが、あなたがた鳥の中には、体が小さくて、ほかの四つ足の動物などと闘おうとしても太刀打ちできない仲間もたくさんいます。

まず、大きい動物はこわい物の筆頭格です。人間だって、その大きい動物カテゴリーに入ります。

カラスやタカのような猛禽類も、小型の仲間がうっかり外の世界に出てしまったときに、真っ先に気をつけなければならない相手。

見たことがないものや聞いたことがない音といった、未知のものもこわいものです。

あとは、「イヤなこと」という過去の体験から「苦手」が生まれることだってあります。鳥のお医者さん(病院)はその典型ですね。人間にとっての歯医者さんのようなものでしょうか。

不安は、ストレスに直結します。飼い主さんの家族が不仲だったりしても、敏感に読み取ってストレスになります。

ほかにも、飼い主さんがかまってくれないことや、ケージの中が暮らしにくいこともストレスになります。

人間の都合にあわせて、私たちがイヤがることを強要する飼い主さんの話を聞いたことがありますが、そういう飼い主さんは、鳥にはきもちがないと思っているのでしょうか。だとすれば、由々しき事態です。イヤがるということは、きもちがあることの証拠でもあるのに。

飼い主さんに対する信頼感が一度こじれてしまうと、関係修復はなかなか難しいものがあります。鳥も飼い主さんも、お互いに意地をはってしまうのですね。

でも、鳥のほうが小さいだけに受けるショックは大きいので、いつまでも飼い主さんに対する不信感がぬぐえなくなって、トラウマになってしまうことも考えられます。

この場合、鳥側だけの力ではどうにもなりません。飼い主さんの努力が不可欠だからです。もし、飼い主さんが歩み寄ろうと努力してくれたら、私たちもがんばりましょう。

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