鳥のきもち「急にご飯を変えないでね」

あるときから、私の食事の内容が変わりました。いつもの食器に好物のヒマワリの種がない。
麻の実もサフラワーもない。
カナリーシードもない。
食べたいものがない。どうして?
いつもの食器の中に入っている、見慣れない薄茶色の物体はいったい何?
それに、食器の中も変ですが、飼い主さんの様子も変です。
あきらかに私の様子を心配そうに見ています。
こんな光景に行き当たったら、それはきっと飼い主さんが「ペレット」という総合栄養食に切り替えようとしているのです。
飼い主さんも私たちのために勉強をしているようですね。
ではなぜペレットにするのでしょうか?
私は今の施設に引き取られるまで、ヒマワリの種を中心に食べていました。
しつこいようですが、ヒマワリの種はとてもおいしいです。飼い主さんからしても、価格も安く、お財布に安心なようですし。お互いWin─Winの関係ですから、問題ないと思っていました。
しかし、前にもお話しした、私の友だちは、このヒマワリの種だけ食べていたことで食事ができなくなってしまうくらいクチバシが変形し、内臓もボロボロになってしまったそうです。
そんな友だちの姿を見て、偏食ってこわいと思いました。
しかし、今食器に入っている得体の知れないものを食べる気には、どうしてもなれません。少し食べるのをガマンすれば、飼い主さんはきっといつものヒマワリの種を食べさせてくれるのだから。
それに自然界では、飼い鳥のようにいつも食事にありつけるかどうか、わかりません。食べたくても食べられないことだってあるそうです。
だからたまには私だって、少しぐらいはガマンしなくては……!
だって、いつもの場所にはヒマワリの種の袋が見えているし……。
このようにして、飼い主さんと私のガマン比べは、私に軍配が上がります。飼い主さんが根負けするようです。
もし、本気で食事を切り変えたいのなら、飼い主さんは、まずは今までの食事を見えない場所に隠すことが先決でしょうね。
そして、毎日体重を計ったり、便の数や状態をチェックしたりして、健康状態を維持しながら進めなくてはなりません。
かといっていつもおなかいっぱいですと、ぜったい無理です。空腹との駆け引きが勝負の分かれ道です。
すでに食事を切り変えた仲間がいたら、ケージを隣同士にしてあげると効果が上がります。
あなた一羽しかいない場合は、無理せずに時間をかけて切り変えてもらいましょうね。

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