いつもありがとうございます。鳥爺です。
スーザンさんの繁殖場から鳥を輸入することで、理想的な形が整ってきました。
・孵化日、性別がわかる
・一人餌(ペレット)への切り替えができている
・ポリオーマウイルスのワクチンを2回接種済み
・PBFD、BFD、鳥クラミジアの検査終了(もちろん陰性)
・輸出する前のスーザン獣医師による健康チェック
・上記の証明する書類の添付
成田空港で迎え入れた私たちは、次のことを行いました。
・空港に到着した子のケア(食事、水交換など)
・CAP!の検疫室にて専属獣医師による健康診断
約2週間後、鳥たちが心身ともに落ち着いてきたら、そこで初めて予約されている方との面会を始めました。
予約されている方には、鳥に会うために「はしご」を禁止させていただきました。ここで言う「はしご」とは、鳥に会う前に他のペットショップや鳥がいる施設に立ち寄ってくることです。
また逆に、CAP!の鳥に会ったら、帰りに他のペットショップや鳥がいる施設に立ち寄らないでほしいことをお願いしました。
これは検疫中の鳥を感染症から守るためと、逆にもしCAP!の鳥が感染症を持っていたらたいへんなので、他のショップや施設にいる鳥たちを守るためにお願いしました。
厳しい制約が多いですが、愛鳥家の皆さんからはとても支持をしていただきました。
一方で、鳥業界から猛反発をされました。
その理由は、私が上記で行ったこと自体がどこもやったことがなかったからです。しかし素人に近い私にできたくらいなので、巨大な鳥業界がその気になればできないことはないと思いました。
しかも一番猛反発されたのは、私たちが飼い主さんにお渡しをした輸出入証明書のことでした。
後で知りましたが、これは鳥業界にとってタブーだったようです。
なぜなら輸入証明書には、その鳥の国名、繁殖業者名が記載されています。
関係者にとっては繁殖者名が同業者や愛鳥家に知られたくなかったのかもしれません。
私たちからすればお世話する鳥が、どこの国で生まれたのか、誰が繁殖したのか、お伝えすることに全く違和感はありませんでした。
むしろ大問題になること自体が理解できませんでした。
しかし当時から危惧していることがありました。
それはCITES2類の鳥が徐々に1類になっていることです。
今後、どの種類の鳥が対象になるかわかりません。
もしCITES1類になったときは、特に輸出入証明書があれば手続きが早いです。
そのため飼い主さんには、手渡した書類の数々を「厳重に保管してほしい」と、しつこく念を押しました。
もちろん私たちのほうでも原本は保管しましたが、、、。
その後、コバタン、コキサカオウム、キエリボウシインコ、オオキボウシインコ(これらはCAP!がお世話した種類です)が、サイテスの1類になりました。
記憶に新しいところでは、ヨウム、コイネズミヨウムが1類になりました。
このときCAP!からお迎えした飼い主さんから、「この書類のおかげで登録がスムーズにできた」と、とても感謝されました。
上記の話は1997年から2000年までの短い期間に、CAP!で鳥を販売していた頃の内容です。
アメリカでの一連の検査(PBFD、BFD、鳥クラミジア、雌雄鑑定など)を行い、さらに国内での厳しい検疫や健康診断などを行いました。
しかしこれらに係った費用は別料金ではありません。譲渡費用の中に入っています。
だからといって特別高いわけではありません。当時のペットショップとほとんど同じ販売価格でした。
25年以上前に、当時20坪程度の小規模なバードショップCAP!ができたことが、今、なぜできないのでしょうか?
タラレバになりますが、もしTSUBASAを設立していなければ、鳥業界を変えられたかもしれない、という想いと、TSUBASAを設立したから、ここまで鳥業界を変えられた、という想いが交錯しています。
しかし今はTSUBASAがあり、WINGYOUがあります。
一羽でも多くの鳥と一人でも多くの飼い主さんが幸せになれる、と信じて活動しています。
おまけのエピソードですが、CAP!経由でスーザンさんのボウシインコをお迎えしたご夫妻が、アメリカに行った時、繁殖場を訪問したと、ご連絡がありました。
ご自身がお世話しているボウシインコの故郷を、この目で見られたこと、ボウシインコの両親と対面できたこと、そしてスーザンご夫妻が親身になって対応してくださったことにとても感動されていました。
この話を聞いて、私たちも感動したことは言うまでもありません。
一羽の鳥を通じて、飼い主さんとブリーダーさんとの架け橋として、大切な役目を果たせました。
これこそがバードショップの醍醐味かもしれません。
さて今までは、私たちがCAP!で生体販売した頃(1997年から2000年)に訪問した繁殖場でした。
次回は最近訪問した繁殖場を2つご紹介します。
スーザンさんの繁殖場とこの2つの繁殖場が、これから日本が進むべき道ではないか、という期待をこめてお伝えします。
(つづく)