(22)コンパニオンバードの繁殖の未来「こんなこと普通だよ」

いつもありがとうございます。鳥爺です。

サーバーさん宅を後にし、次に私たちが向かったのが大型インコやオウムを中心に繁殖しているブリーダーさん宅です。
こちらも男性の方が対応してくれましたが、サーバーさんほどの印象がなく、あまり覚えていません(ごめんなさい)。
たぶん訪問してから20年以上経っていることと、このブリーダーさんから鳥を輸入していないので記憶にないのかもしれません。
繁殖場そのものは「可もなく不可もなく」、という感じだったと思います。

ただ、その中でも一つだけ覚えていることがあります。
それは繁殖場の中に比較的大きいケージがありました。私が出会ったほとんどの愛鳥家やブリーダーさんは、人が立って入れるくらいのケージにオカメインコを1~2羽くらい入れます。
大型インコだと、人が一人以上は入れる大きさのケージに入れている方が多いようです。
その中でもさらに大きいケージにベニコンゴウインコが一羽だけで入っていました。
その理由が何か立ち止まって考えていると、ブリーダーの男性がこう言いました。
「この子は交通事故に遭い、大怪我をしたので保護した」と。

よ~く見ると片方の羽根がありません。
飼われていた鳥が屋外に飛び出し、迷子になり低空飛行で飛んでいるときに車と激突し、羽根を大きく損傷したそうです。
地元の警察から通報があり、動物病院で治療をしてもらった後、引き取ってお世話をしているとのこと。
しかしもう何年も経つが、飼い主さんは現れないのでそのままずっと飼い続けていると言われました。
さらに「こんなことは普通だよ」と。

何が普通なのでしょうか?
詳しく聞くと、怪我や病気の鳥はこのまま置いていても、繁殖場としては何の役にも立ちません。なので安楽死をすると思われがちだそうです。
しかし多くのブリーダーは、鳥を繁殖してお金を稼がせてもらっているので、そのお返し(?)として、病気や傷ついた鳥と縁があったときは、きちんとお世話しなくてはならないと言われました。

企業が利益の一部を、社会貢献のために使うような意味合いなのかもしれません。
このブリーダーさんは、もしかしたら安楽死されるかもしれない鳥を引き取り、利益にもならないが、きちんとお世話しています。つまりこれも大切な社会貢献の一環かもしれませんね。
しかもこのブリーダーさんだけではなく、「こんなこと普通だよ」とさらりと言い切りところに、アメリカの寛大さを感じた次第です。

さて翌日は、今回の繁殖場ツアーな中では一番の難所でした。
しかし、ここでは実際に鳥を仕入れすることができました。その鳥は今考えたら意外な鳥でした。
次回、意外な鳥についてお伝えしたいと思います。

(つづく)

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