鳥のきもち「咬むのに悪気はないんです」

「私を叩く前に、私にはクチバシがあってあなたの手の骨をたやすくかみ砕いてしまうこともできるということを思い出してください。でも私はかみません。」
(鳥の飼い主への十戒)
 
私は過去に飼い主さんから暴力を受けたことがあります。
そういう私も、飼い主さんをかんだことがあります。
「かむ」ことは人と鳥の暮らしの中でも問題行動としてとりあげられることが多い問題です。
かむことにはいくつかの理由があります。
まず、自分を守るためにかむ場合と、勘違いしてかむ場合です。
ただし、よっぽどのことがないかぎり、自分を守るためにかむことはありません。
なぜなら、ケンカと同じで、かまれたほうもかむほうも心が痛むからです。
私たち鳥には強いクチバシがありますが、固い食べ物を砕いたり、クチバシを利用して移動したりするため以外には本当は使ってはならないものだと思っています。

でも、飼い主さんが暴力的だったり、何度言ってもわかってくれないときはしかたなくかむこともあります。
そして、もうひとつの「勘違いして咬む」ですが、これは鳥たちが早く気づくしかありません。
飼い主さんの肌の感触を確かめるために軽くかむ(甘がみというそうです)ことがありますが、 かむ力加減がよくわかっていないこともよくあります。
つい固い食べ物をかむ力を使ったら、飼い主さんが大きなリアクションをした。
私たちはこれを「喜んだ」と勘違いしてしまいがちなのです。
本当は「痛い」というリアクションだったのに─。
 
ではどうすれば飼い主さんの「喜んだ」「痛い」を見分けることができるのでしょうか。
まずかまれて喜ぶ飼い主さんはいません。
だから甘がみの許せる範囲なのか、そうではないのかを判断するしかありません。
甘がみのときは飼い主さんは、あなたと一緒にスキンシップを楽しんでいます。
しかし、痛いときはすぐかんでいる手や指などをふりほどき、無言で立ち去るかもしれません。
または、その直後にあなたはケージに戻されるかもしれません。
これらの行為は比較的淡々とおこなわれますが、何となく空気が一変したことに、早く気づいてください。
このことに気づいて、かむ力を加減しなければ、あなたは2度と飼い主さんとのスキンシップを楽しむことができなくなってしまうかもしれません。
かむことが原因となって、飼い主さんのもとを去らなければならなくなった仲間を、私はたくさん知っています。
かく言う私も、そのひとり(一羽)でしたから、、、。
悲しい思いをする仲間を増やしたくはありません。
勘違いに気づきましょう。

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