飼い鳥とはいえ、私たちはもともと野生でした。
鳥にとっての理想的な暮らしは、野生の鳥の生活にヒントがあります。
鳥に限らず野生の動物の行動の基本になるのは「太陽」。
日の出とともに目覚めてエサを探し、日暮れとともに眠ります。
それが飼い鳥になると、人間とともに生活するので夜更かしになりがち。
……まさか、寝る時間なのに、ケージに戻りたくない! と逃げ回ったりしてませんよね?
野生と飼い鳥とで大きくちがう点を、野生の鳥に聞いてみました。
まず、野生の場合は、エサは自分で探さなければ手に入りません。
広い自然のなかを動き回るため、運動量は豊富です。
いつ敵から襲われるかわからず、生命の危険がつねにつきまといます。
暑い・寒いという気温や気象条件をダイレクトに体験することになります。
過酷です。群れ社会です。
一方で、飼い鳥は?
エサは……飼い主さんが用意してくれます、いつでも食べられます。(ラッキー!)
ケージや、部屋の中で過ごすので、運動不足です。動き回れるものならもっと動きたいですけどね。環境がなかなかそうはさせてくれません。
家の中にも危険はひそんでいますが、外に比べると天国です。
雨に打たれたり、風に飛ばされるようなこともなく、天気によって物陰に身を隠す必要もありません。毎日、平穏です。
飼い主さんを仲間と思って暮らします。単独で気楽な生活です。飼い主さんが留守だとさびしいこともありますが。
……飼い鳥って、なんて甘えた生活をしているんでしょう!?
いや、何も私たちだって、好きでそうしているわけではありません。安全で快適なので退屈してしまって、問題行動を起こしてしまうこともありますから、飼い鳥は飼い鳥なりの悩みや課題があるものです。
あまりに平穏な日々なので、ケージの外に出ると刺激を求めて部屋中を探検したりします。
たまにめったに出会えないお宝にめぐりあって、興奮してしまうこともありますが、あれもしちゃダメこれもダメ、と制限ばかりされてカゴの鳥状態になると、ストレスがたまってしまいますね。うまく発散する方法を編み出しましょう。
また、ケージのなかでも外の様子を観察したり、歌を歌ったり、言葉を覚えたり、お昼寝をしたりする楽しみはありますから、もしもあなたがケージの中にいたいタイプの鳥でも、それは大丈夫です。
大切なのは、日々の中で刺激と楽しみを見つけることです。
ケージの外に出してもらうのは、1日2回が基本と覚えましょう。そのうちどちらかは飼い主さんに一緒に遊んでもらいたいですね。
でも、飼い主さんの忙しさや生活リズムもあるので、あまりわがままも言えませんし、期待しすぎてしまうとガッカリも大きいものです。遊ぶときは思いっきり遊んで、メリハリのある生活を心がけましょう。
また、いくら楽しくても、ひとりの時間だって重要です。そして寝る時間は規則正しく!
日が落ちたらねぐらに帰る野生の鳥を見習って、飼い主さんに対して全面協力態勢を!